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2. 舶用ディーゼル機関とともに半世紀 2.1まえがき 1996年は筆者の会社「三井造船株式会社」が1926年8月13目、デンマーク国Burmeister & Wain社とディーゼル機関に関し技提して以来70年が過ぎた。 そして、筆者も教え年で70即ち「古希」を迎えた。しかも舶用ディーゼル機関は筆者が入社した1950年頃から今日までの半世紀の間にめざましい発展展をとげた。この半世紀の間、筆者は若き一人のエンジニア(fig.1)として、工場の管理者として、そしてトップマネージメントとして、直接・間接にディーゼル機関に関係して来たので、その発展の歴史を回顧し、これから将来への展望について述べた。 
Fig.1 Inspection after Shrink Fit of Crankshaft(1953) 2.2発展を促した技術の流れ この半世紀の間に舶用ディーゼル機関の発展を促したニーズとそれに応えた技術開発は数えきれない程あるであろうがその中から下記の技術発展に焦点をあてて回顧した。 2.2.1大出力化 ディーゼル機関の強味はその高い熟効率にあるが、1950年頃のその泣き所は、出力がせいぜい8千馬力程度であったことおよび使用燃料が所謂ディーゼル油でボイラー油を使用する蒸気機関に比して、燃料単価gが高いことであった。 一方、経済の復興・発展につれて船舶はどんどん大形化高速化し推進機関への大出力化のニーズは高まった。これに応えるべく、大口径化、排気過給システムの導入と一層の過給度向上等の努力が続けられ、Fig.2に示す様に、1基当りの出力は年とともに急速に増大し、今や1基10万馬力も可能となった。 その間にあって、この大出力化と次に述べる低質油専焼に適合する機種として2stroke cycle single acting crosshead type large bore burbocharged diesel engine主流となった。 また、大出力を得る為に3軸を採用した「えるべ丸」のような特殊な例もあった(Fig.3)。 一方、艦艇用では、2stroke cycle trunk type highly turbocharged Diesel1基のマルチギヤ配置が開発され集中制御・自動化のはしりとなった(Fig.4)。 2.2.2低質燃料油専焼 ボイラー油(低質燃料油)を使用する蒸気機関に対抗する為、ディーゼル機関に低質燃料油を使用する懸命の努力がなされた。1951年淡路山丸で使用されて以来材科および設計技術面での改良とアルカリ性シリンダ油の開発によって見事に克服され、一層の重質油を可能にし、今では粘度700cst/50℃のものまで使用されることとなった。船舶の運航採算に貢献するとともに、舶用原動機としてディーゼル機関の地位をゆるぎなきものとした。 2.2.3自動化・無人化 1950年代の終頃から、世界経済の勃興につれて、大量の船舶が必要となる一方、船乗りになる若者が減少し始めたことから、乗組員不足となって来た。 これに対処すべく、省人化および船内勤務環境改善の為、船舶全対特にに機関関係の自動化、夜間無人化等々大規模な技術開発が行われた。 1961年、ブリッジから機関が操縦される世界最初の自動化船「金華山丸』が就航し、パナマ運河での操船性の良さ等米国でセンセーションを興して以来、一層自動化度が高まり、現在では所謂超自動化船が数多く就航し、当初50〜60名の乗組員が今は10名少々で運航されている船も少くない。 2.2.4省エネルギー化 1973年の石油ショック以降石油価格は高騰を続け、船舶の運航経費の中 前ページ 目次へ 次ページ
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